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- > 日本の哲学・思想一般(事典・概論)
内容説明
東アジア・欧米など海外の研究成果を採り入れて一国史的視点を超え、文学・歴史学・考古学・政治学・哲学・倫理学・宗教学・民俗学・美術史・建築学・地理学といった諸分野の成果を盛り込んだ、人文科学の基幹として思想史学確立の試み。先史以来の知の営為を集約し、選り抜きの主題を分析した、新しい日本思想史の通史と方法。文献史料以前と以後。
目次
総論 古代の思想
縄文の思想から弥生の思想へ
古代神話論のために
律令と天皇
奈良時代の仏教
神祇信仰の展開
平安仏教論
怨霊の思想
救済の場と造形
院政期の思想―江家における累葉儒家意識と系譜の捏造
本地垂迹
著者等紹介
佐藤弘夫[サトウヒロオ]
1953年、宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了。博士(文学)。東北大学大学院文学研究科教授。日本思想史専攻
末木文美士[スエキフミヒコ]
1949年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。国際日本文化研究センター教授。仏教学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かんがく
13
思想史の基本は史料読解であるが、文字の存在しない時代の思想を研究するという縄文弥生の章はなかなか刺激的。土偶や銅鐸から読み取れる猪、蛇、鹿への信仰や男女観などなるほどと思った。神祇信仰の章と本地垂迹の章は、神道への理解がかなり深まった。古墳と律令制と神祇の関係性、古事記の非仏教性、二元世界のつなぎ役としての垂迹とそれを乗り越えた浄土宗などの話がとても面白かった。仏教の章についてはなかなか理解が追いつかなかったので、基礎から勉強しようと思う。2019/12/24
陽香
1
201204202017/07/08
マウンテンゴリラ
0
神道、儒教、仏教といった古代からの日本人の思想の特徴と、それぞれの変遷を理解する上で参考になった。中でも仏教思想は、歴史的、空間的、教義的にも全くの異教徒であったにもかかわらず、皇族、貴族階級に留まらず、庶民的にも発展浸透していったことに本来的な日本人との親和性といったようなものがあるのではないかとさえ感じられた。一般読者の素朴な感想として、それは日本人が持つ和の精神と仏教的な慈悲の精神との親和性のように思われ、よくいえば包容力、柔軟性、悪く言えば自立心、自我の欠如といった特徴に現れているのかもしれない。2013/05/01