内容説明
小栗判官と照手姫の絆をとおして、王権と周縁、秩序と混沌の模様を描く、遊行漂泊の芸能民による“語り”の世界。説経「をぐり」の解読。
目次
序章 構造・語り・遊行漂泊
1 小栗の誕生(小栗の誕生―本地譚と申し子;英雄小栗―スサノオ神話;小栗の不調―禁忌の女性)
2 小栗と照手の出会い(小栗の追放―母恋い;後藤左衛門―小栗と照手を語る者;横山一族―辺境の王国;小栗と照手の契り―アマテラス神話と照手)
3 小栗の死(小栗の処罰―鬼鹿毛と祝祭;三郎の自覚―暗黒の司祭者;照手の夢―夢語りと夢解き;小栗の毒殺―横山一族の自虐)
4 小栗と照手の流離(照手の水死刑―女人の一念;照手の流離―道行と「くにたま」;照手の苦役―水の女;小栗の蘇生―餓鬼阿弥と折口信夫;車引き―時宗と遊行;照手の車引き―道行と物狂い;関寺たま屋―タマフリの反祭儀)
5 小栗の再生(小栗の再生―都の認知;小栗と照手の再会―境界と名乗り;小栗の報復―語られない三郎、祀られない三郎;小栗と照手の往生―二極構造と「いのち」)
著者等紹介
鳥居明雄[トリイアキオ]
1949年(昭和24)山梨県に生れる。東京都立大学大学院博士課程修了。都留文科大学教授。文学博士。専攻・日本中世文学(能・説話)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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