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内容説明
一六〇九年の薩摩藩の侵攻以後、中国との君臣関係を維持したまま日本の幕藩体制に組み込まれた琉球王国―複雑な国際関係において、向象賢・程順則・蔡温・平敷屋朝敏といった人々がいかに王国のアイデンティティを模索し、自律性を追求したのか?“琉球処分”以後の沖縄のアイデンティティとの断絶も視野に入れつつ、近代国民国家論には回収されない琉球の主体性を描き出す。
目次
第1章 琉球の地位および日本・中国との関係
第2章 北への眼差しと西への眼差し―向象賢と程順則
第3章 琉球の自律性―蔡温における琉球の理論的根拠
第4章 琉球の再興―蔡温とその批判勢力
第5章 蔡温の琉球像への対抗
エピローグ 結論
著者等紹介
スミッツ,グレゴリー・J.[スミッツ,グレゴリーJ.][Smits,Gregory James]
1960年、米国ミズーリ州コロンビア市生まれ。フロリダ大学卒業。ハワイ大学マノア校修士課程修了。南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。現在、ペンシルベニア州立大学准教授。東アジア思想史・近世日本社会史専攻
渡辺美季[ワタナベミキ]
1975年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位修得退学。博士(文学)。現在、神奈川大学外国語学部国際文化交流学科助教。東洋史学(琉球史・東アジア海域史)専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
1
いろいろ興味深い。琉球となりが少しずつ見えてきた気がする。2021/09/19
ふら〜
0
向象賢、程順則、蔡温、平敷屋朝敏の4人の思想・思考を中心に近世/近代の琉球の歴史を分析し、いかに琉球/沖縄が日本となっていったかについても追うことが出来る。特に蔡温の思想とその実践により儒教国家としての琉球が出来上がっていったとの論考は非常に興味深い。彼ら4人が考えた「琉球とは」について、現代に生きる我々にとっても、ある意味呪縛されているがごとく、考えを始めるスタート地点とせざるを得ないのだろうか。2017/05/23