内容説明
ナショナリズムと親和的関係にある日本通史への欲望を拒否するために、山崎闇斎学派や武士道の語りにおけるナショナルな視線を相対化し、他者性を帯びた「江戸」の自国意識や対中国認識に注目することで、歴史の断面を記述することの可能性を探る。
目次
「江戸」の系譜学―日本思想史方法論として
第1部 ナショナルな視線と闇斎学派(破門と義絶の学派―山崎闇斎学派における師説と再語り;語りの中の「武士道」―批判的系譜学の試み)
第2部 親中国的普遍性の主張と「心の言説」(度会延佳と近世神道の成立;新説の時代と「心の言説」)
第3部 中国的世界像の動揺と自国意識(近世神道と教説の時代―垂加神道を中心に;「江戸」の自国意識―山崎闇斎学派とナショナリズム)
著者等紹介
樋口浩造[ヒグチコウゾウ]
1958年、山口県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、愛知県立大学日本文化学部教授。専攻は日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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