内容説明
日本史上の激動期に、みずからの個性を絵筆に託して生き抜いた一群の画家たち。彼らこそ、江戸から明治へと日本美術の伝統を受け継ぎ、あるいは革新した変革期の立役者であった。そうした画家たちの生涯と作品を顧みつつ、日本美術史の空白期を埋める意欲的成果。
目次
近代化の「はざま」に置かれた美術―序にかえて
河鍋暁斎―虚妄の彼方に
絵金―幕末土佐の芝居絵
狩野芳崖―近代日本画の革命児
高橋由一―江戸絵画史の視点から
徳川慶喜―油絵を描く将軍
服部雪斎―博物図譜の名手
南画後期の三人の個人主義画家たち
裸体表現の変容
著者等紹介
辻惟雄[ツジノブオ]
東京大学名誉教授、MIHO MUSEUM館長。専攻は日本美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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橘 劫
1
最後の裸体表現だけ拝読。近世頃は裸が通常空間にあったのに、近代にはいってから西洋文化との迎合で裸が恥じられるようになったという。なるほどな2015/12/22
AR読書記録
1
面白い! 辻惟雄氏の序にかえた文章に“前近代と近代という二つの山のはざまにある,ぎくしゃくとして異様な,しかし現代のわれわれの心に,よそごとでなく不思議に訴える”とありますが,ここに収められた8編の論述のそれぞれが,それぞれの方向から訴えかけてきて,もうわくわくがとまりません.興味深かったのは“日本美術の伝統の中で,裸体がどのように扱われ(...)それが西洋裸体画の影響によってどのように変容していったか“を扱った文章ですが,妙に心に残るのは最後の将軍様の油絵 ...いや博物画も捨てがたい...2013/01/11
果てなき冒険たまこ
0
太田記念美術館に行ったことからお気に入りの河鍋暁斎を始めとして、絵金、狩野芳崖、高橋由一など幕末から明治にかけての日本絵画の変容を紹介した本。 その中に徳川慶喜が入っていたのは予想外だったけど内容はほぼ納得。 しかし研究者さんが書く文章は読みやすいのとそうじゃないのと両極端。自分の専門(かどうかは知らないけど)のことばかり語りつくそうとする人と読み手のことをちゃんと考えている人とはっきり分かれる。まぁ学者さんあるあるだよね。2021/11/26