内容説明
古今をつうじて日本全国にまつられる鎌足像は数多い。それらは何を意味しているのか。本書は、百数点におよぶ肖像の調査により、それらの制作意図、制作時の政治・社会・文化の諸相を解明し、日本の肖像史の枠組みを構築しようとする初めてのこころみである。肖像制度の舞台裏に見られる日本の宗教や天皇につながる王権の問題が明らかになる。
目次
藤原鎌足像の図像学
「多武峯曼荼羅」の誕生
肖像掲揚儀礼の展開
『談山権現講私記』の歴史的意義
破裂する大織冠像
鳴動する大地と御影堂
法興寺蹴鞠説話と犯土
新羅明神と藤原鎌足
もうひとつの維摩像
勝軍地蔵と「日輪御影」
「鎌倉」と鎌足
桐紋の平緒をもつ鎌足像
絵師としての小野篁
著者等紹介
黒田智[クロダサトシ]
1970年、埼玉県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得退学。2003年、博士(文学)取得。日本学術振興会特別研究員(PD)をへて、現在、海城高等学校非常勤講師、東京立正短期大学非常勤講師。専攻・日本中世文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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