内容説明
飢饉をきっかけに、重税を課しおごり極める為政者を「小人に国家をおさめしめば災害並びに至る」として、民を苦しめる役人と、それに結託する商人に罰を加えようとした犬塩の評伝。
目次
1 一斎佐藤氏に寄する書
付記・諱は後素
2 良知を致す
3 洗心洞のこと
4 大阪町奉行のこと
5 心太虚に帰す
6 一斎と敬所と
7 江戸出府のこと
8 四海困窮
9 挙兵
著者等紹介
宮城公子[ミヤギキミコ]
1937年生まれ。京都大学文学部文学研究科(国史学専攻)博士課程単位取得退学。甲南大学教授。専攻は日本史・日本近世近代思想史
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
1
「功夫」は王陽明『伝習録』のことばなんじゃのう…広辞苑にカンフーあるが功夫(こうふ)はないね▲本書は1977に朝日評伝16として刊行されたもの。平成になって新史料が発見されたため、伝記的には改められる箇所がある。が、大塩の思想理解には影響ないそうである。〈自己完結性が心のあり方の局面に限定されているから〉。「なにをなすべきかより、なすべき心地をどう鍛えるか」に力点を置く溝口雄三の日本陽明学がよく合致する2016/10/16
つばな
0
大塩を神格化したような研究書が多い中、大塩の思想を冷静に分析した良書。2013/05/25