内容説明
インド以来の戒律を大胆に変革した最澄。思想の核心には、仏になるために必要な、永遠に近い時間を無にする“速成”性への確信があった―。日本古来の神祇信仰と護国仏教の狭間で最澄がつかんだものは何だったか。仏教のその後を大きく変えた最澄の思想を描き尽くす。
目次
第1章 戒律思想史上の最澄
第2章 比叡山に篭もる最澄
第3章 新たな国家仏教体制の考案
第4章 「山家学生式」
第5章 仏菩薩という目的
第6章 “速成”的方法の創出―「山家学生式」の思想的根拠
第7章 霊山浄土の釈迦仏
著者等紹介
上原雅文[ウエハラマサフミ]
昭和33年(1958)鳥取県生まれ。平成11年東京大学大学院人文社会系研究科修了。専攻、倫理学・日本倫理思想史。現在、東亜大学総合人間・文化学部教授。博士(文学)
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