内容説明
『論語』のラジカルな読み直しによって、日常の人人の立場を確立した仁斎―この古義学のラジカリズムを仁斎テキストのラジカルな読みとして反復し、仁斎のラジカル・ヒューマニズムとしての思想世界を見事に開示する、江戸思想史家としての著者の記念碑的労作。
目次
人情の至り即ち道なり―伊藤仁斎と人間認識
第1部 伊藤仁斎論―人倫的世界の思想(仁斎とその学問像;人倫的世界の地平―仁斎における「実」;仁斎学の構造―仁斎における『論語』と『孟子』;人性と道徳との間―生生的存在の倫理学;「人の外に道無く、道の外に人無し」(『童子問』における成立過程;道と人情)
天道と人道―仁斎の生生的世界観)
第2部 伊藤仁斎補論―「性善」について、ほか(「性善」とは何か―吉川幸次郎「仁斎学案」の曲解;「誠」と近世的知の位相―武内義雄「日本の儒教」の批判;「天命」を知るということ―伊藤仁斎『語孟字義』の一講義)
著者等紹介
子安宣邦[コヤスノブクニ]
1933年川崎市生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程(倫理学専攻)修了。文学博士。横浜国立大学助教授、大阪大学教授、筑波女子大学教授を経て、現在、大阪大学名誉教授。日本思想史学会元会長。専攻は思想史・文化理論
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