内容説明
蕉門きっての論客、各務支考。俳諧の理念を初めて体系的に構築し、また自らを始祖とする美濃派俳諧は、今もって守り伝えられている。奇怪・難解とされた支考俳論を平明に読み解き、その基本概念―「虚実」「人和」「時宜」―から言葉の根源を探る。
目次
序章 「俳諧」とは何か―俳諧史における支考(俳諧の可能性―支考が見つめたもの;俳諧の意味と歴史―「詞の俳諧」から「心の俳諧」へ;芭蕉との出会い)
第1章 俳諧のこころ―支考俳論における「虚実」・「人和」・「時宜」(虚実の基本的な構造;虚の顕現と時宜の問題;人和―俳諧と人の道)
第2章 こころの結実―美濃派作品評釈(平生の俳諧―四季発句評釈;「さびしき」中の「おかしき」―旅中吟評釈;死と再生―追善発句評釈)
結語に代えて―俳諧・言の葉への眼差し
著者等紹介
岩倉さやか[イワクラサヤカ]
1977年生まれ。九州大学大学院博士課程。専攻、日本中世・近世文学
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