内容説明
明治大学に職を奉じて四十余年、大野順一古稀記念の論文集。文学がある意味で受難の時代を迎えているさなかに、それでも自分の志す方向を誤ることなく、各自が各自の道を歩き続けている。その実りの一つが、本論集である。古代から現代まで、それぞれの領域で持てる力を存分に発揮している。
目次
髑髏考―芭蕉の一句をめぐって
『日本霊異記』にあらわれた“やまい”
伊勢物語の「語り」の機構とその「歌物語」性について
蜻蛉日記の表現空間―「町の小路の女」関係章段出現までの文脈生成
「六条わたり」の女の構想
清少納言と和歌―その詠作意識をめぐって
「心なし」の歌について―千載・新古今を中心に
西行の『聞書集』十題十首について―出家直後の信仰情況を中心に
『三百六十番歌合』撰者について
『明日香井集』「東国下向歌群」(仮称)考〔ほか〕