内容説明
思想としての歴史。細密な史料の読みから、慈円が愚管抄によって語ったのは、思想的構造体としての歴史であり、その思想が優れた歴史哲学であることを証明した研究。
目次
第1部 『愚管抄』の成立(「皇帝年代記」の成立事情;「別帖」「附録」の著作年代)
第2部 『愚管抄』の思想(世界史の法則と日本史の時代区分;日本史の意味とその行方;『愚管抄』の歴史思想の構造)
結び 『愚管抄』と慈円(『愚管抄』の思想構造;『愚管抄』執筆の動機;乱後の慈円と『愚管抄』)
補説1 時機相応の論理―最澄と法然・慈円をつなぐもの
補説2 『愚管抄』と『神皇正統記』
付録 随想二題