感想・レビュー
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きさらぎ
7
林羅山の跡を継いだ鵞峰の詩文を息子の鳳岡がまとめたもの。日野氏による17頁の解題が完結で要を得ている。鵞峰は日野氏も認めるとおり「儒学の思索において独創的なものはない」が、江戸時代において、儒者というものの存在を知らしめ、儒者として世に有りうるのだという事を広く世間に認知させたという点は、恐らく鵞峰の功績に帰するところ大であろうと思う。平安時代以来の職制である「大学頭」が林家に与えられたのは息子の鳳岡の代になるが、それは本朝通鑑を編集し広く幕閣と交わった鵞峰のたゆみない努力なしには達成できなかっただろう。2019/10/01
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- 黄金峡 講談社文庫