内容説明
異例の3期目に入った習近平政権は意思決定の遅れから不十分な政策が見られ、その影響から社会の混乱も目立ってきた。長期発展を阻害する、これらの要因は習氏による強権統治の影響だけでなく、共産党一党独裁という政治体制そのものの限界が鮮明になってきたためではないだろうか。中国が抱える諸課題と今後の見通しについて多彩な専門家が分析する。
目次
序章 混迷化する中国経済、政策立ち遅れ―強権政治の弊害 機動性、有効性欠く
第1章 中国の政治体制と長期的経済発展の限界―指導者が代わっても解決できず
第2章 トランプ政権の成立と米中経済関係―中国の対外経済政策、途上国に接近
第3章 色あせるIT・創業ブーム―広がる民業圧迫、中国から頭脳流出も
第4章 「チャイナリスク」が企業行動に与える影響―不確実性を定量分析、投資を左右
第5章 長期化する不動産不況の行方―金融システムへの潜在的リスクも
第6章 社会保障体制の改革とその課題―消費低迷の克服、格差是正が不可欠
第7章 中国の労働市場と失業問題―若年層の就職難が社会に影響
第8章 国有企業改革は進むのか―「主導的な力」の「異変」と役割強化
第9章 中国の食糧安全保障の実相―「党の指導」で食糧生産の利益を担保
著者等紹介
湯浅健司[ユアサケンジ]
日本経済研究センター 首席研究員 兼 中国研究室長
劉徳強[リュウトクキョウ]
京都大学 教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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