内容説明
東京電力・福島第一原子力発電所事故から10年。「日本のエネルギー改革は進展したのであろうか?今後の課題は何であろうか?」この問題意識のもと、日本のエネルギー産業論の第一人者が、原子力、電力・ガスシステム改革、水素、エネルギー転換など10のテーマを取り上げ、「世界経済評論インパクト」掲載のエッセイを手がかりに、「2050年の電源ミックス」を展望する。
目次
フクシマ後10年とWEBコラム「インパクト」
原子力
エネルギー政策
電力・ガスシステム改革
シェール革命
極東・アジアのガス事情
石油産業の成長戦略
新機軸
水素
地球温暖化対策
エネルギー転換
エネルギーの未来
著者等紹介
橘川武郎[キッカワタケオ]
国際大学大学院国際経営学研究科教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。経済学博士。青山学院大学経営学部助教授、東京大学社会科学研究所教授、一橋大学大学院商学研究科教授、東京理科大学大学院イノベーション研究科教授を経て、2020年より現職。経営史学会元会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
68
橘川先生が寄稿された40編のエッセイ。時系列に並べるのではなく、原子力、エネルギー政策、水素など、11項目に分類し、各項目の「事実経過」と「10年後の状況と今後の展望」を加えて、エッセイが掲載されているのは良心的である。この編集が可能なのは、先生の主張が、常にブレることなく一貫した理念に基いているからである。審議会で、敢然と政府案に異議を唱えられる先生の姿に感銘を受けるが、電力事業のコア・コンピタンスが系統運用であるとの喝破、SDGsが内包する二律背反的矛盾の指摘など、その深い識見に心から敬意を表したい。2021/05/03
Tomonori Yonezawa
3
【県立図書館】2021.3.1,第1版1刷▼全10+終章で272頁、著者が「世界経済評論IMPACT」に寄稿した40遍のエッセイ(っぽくはない)を章テーマ毎に振り分け+α▼気力不十分で完読出来ず。3章「電力・ガスシステム改革」と9章「地球温暖化」10章「エネルギー転換」終章「エネルギーの未来」読んで本閉じる。▼エネルギーフォーラムとEPレポート、全国紙や業界新聞をチェックしてるなら無理して読む必要まではないかな、が感想。▼SDGSのとこ期待してたが、俺が相手する対象には難しすぎるだろう。2021/11/06
Humbaba
1
現代社会において、エネルギーの消費量は増え続けている。しかし、それを完全に満たせるほどには我々の技術は進んではいない。後先を考えずやっていくのならば、確かに方法はあるかもしれない。しかし、そうして進めた結果がフクシマであり、その清算はいつになるかというのは誰にも見えていない。どうするべきかというのは難しいが、難しいとして放置していてよい問題でもない。2024/07/30
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