内容説明
価値観が多様化した社会のニーズは複雑である。AIに頼ってもESG経営の答えは見つからない。現代の視点から歴史を掘り起こし、先人の知恵と体験を学び取ることから、日本企業が進むべき道が見つかるだろう。SDGs時代のビジネスモデルのヒントを提供する、経営者、ビジネスパーソン、学生必読の1冊。
目次
不連続な社会と向き合った企業家の光と陰―社会環境と事業戦略の適合性
第1部 事業戦略の社会適合性(持続可能な社会を志向した「以徳招利」経営―鈴木馬左也(住友合資)
石油燃焼技術を主軸とした多角化戦略―内田鐵衛(内田製作所→コロナ)
「拡大均衡」戦略を掲げて損害保険事業の新地平を切り拓く―三好武夫(安田火災海上保険)
戦間期リージョナルバンクの経営政策―鈴木良作(足利銀行))
第2部 事業環境の変化と人的資本の活用(共働互助の精神を基盤とする企業経営と人格教育の実践―平生釟三郎(甲南学園・東京海上火災保険)
自主独立の精神の涵養―根津嘉一郎(武蔵学園・東武鉄道)
地域における産業人材の育成―北川實夫(北川工業高等学校・北川鉄工所)
世界に奉仕する人材の育成―星一(星薬科大学・星製薬))
著者等紹介
長谷川直哉[ハセガワナオヤ]
法政大学人間環境学部教授。法政大学大学院公共政策研究科サステイナビリティ学専攻教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SHOSHO
0
法政大学イノベーション・マネジメント研究センター主催の公開講座の講義を編集したものである。名が知れた企業の創始者、中興の祖の足跡を今の私たちの価値観や興味・関心を過去から辿り、成果や失敗、その意義を炙り出す。彼らをを突き動かした原体験は、成功と失敗の縦糸と私益と公益の横糸で織りなし物語を生み、社是・社訓としてその企業のDNAの一部となり今に繋いでいる。現代の、社会のため人のため何かしたい、とは違う。国家や私の暮らしの豊かさへの渇望や、近代以前の精神に根差すものでそれは強烈で読み応えがある。2020/04/01