内容説明
経営学はマズローをどこまで受けとめたのか。現代社会の諸問題を見据え、その問題の根本を「科学的客観性の追求」とそれに伴う「人間性理解の欠如」にあるとしたマズローは、モチベーション論の枠を超えて、経営学に対しいかなる示唆を与えうるのか。フロム、ドラッカー、ウェーバーとの対比を通じてマズローの思想と方法、そしてその自己実現論がもつ意味を考える。
目次
序章 自己実現と現代社会
第1章 マズロー理論はモチベーション論か―経営学におけるマズロー理論の位置づけ
第2章 マズローの基本思想―その心理・科学観
第3章 マズローの自己実現論―フロムの自由論との対比から
第4章 マズロー管理論の体系―マグレガーY理論との根本的な相違性
第5章 欲求階層説はERG理論に超克されたのか―欲求階層説と実証研究
第6章 ドラッカーとマズロー―「マズローの批判」をめぐって
第7章 自己実現とウェーバー官僚制問題―組織社会における自己実現の問題
第8章 自己実現と経営学―金井壽宏「完全なる経営」論について
終章 マズローと経営学
付 翻訳:A.H.マズロー「心理学の哲学」(1957)
著者等紹介
山下剛[ヤマシタツヨシ]
1974年愛知県に生まれる。1997年中京大学経営学部卒業。1999年中京大学大学院経営学研究科修士課程修了。1999~2003年民間企業勤務。2006年名古屋大学大学院経済学研究科博士(後期)課程修了。名古屋大学大学院特別研究員、高松大学経営学部専任講師を経て、北九州市立大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。