内容説明
2015年9月に国連総会で持続可能な開発目標(SDGs)が採択されたが、その原資となる開発資金についてはどのような議論がなされているのか?ODAといった公的資金のみならず民間資金を広く動員する必要性が指摘されるが、多くのステークホルダーが関わり複雑である。最近の開発資金についての動向を解明するとともに、それを通して開発援助レジームの変容について検討する。
目次
序章 開発資金の意義と役割:本書の目的と問題意識
第1章 国際政治経済情勢と開発アジェンダの変遷
第2章 途上国に向けた資金の流れの変遷
第3章 現在の国際開発援助レジームの形成とSDGs時代の開発資金
第4章 SDGs時代の開発資金の議論:ODAからTOSSD、FfDへ
第5章 日本の開発援助政策の変遷とSDGs時代の開発資金
第6章 結びに代えて:国際開発援助レジームとSDGs時代の開発資金の動向
著者等紹介
浜名弘明[ハマナヒロアキ]
1980年生まれ。東京大学大学院国際協力学専攻修了。国際協力機構(JICA)フランス事務所前企画調査員。財団法人国際開発機構(FASID)ジュニア・プログラム・オフィサー、在クロアチア日本大使館専門調査員、JICA企画部、研究所を経て2017年1月までフランス事務所勤務。専門は開発援助論、国際政治経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akihiro Nishio
22
先日、国際開発研究科を退学してしまったが、同科の専門性とは何だろうかと考え続けていて、資金調達と評価だろうと思い至る。ということで、末端で開発に関わる者として読んでみた。ODAにはドナーのGNI比0.7%支出という目安があること、何をODAに含めるかをDACという組織が独占的に決定する権限を持っており、各国が自国に有利なようODA支出として計上されるようしのぎを削っていることなどを知る。中国やインドといった振興ドナーをDACに加盟させて、開発資金の透明化を図りたい西側と、それを嫌う新興国の対立も興味深い。2017/09/14
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