内容説明
損害保険ジャパン、東日本高速道路の役員OBが、事業報告書、計算書類、有価証券報告書、調査委員会調査報告書等良質の資料を駆使して、経営者の視点で企業不祥事を実証的に分析。企業不祥事を自社の“教訓”とすべきことを説く。
目次
第1章 企業不祥事とは何か
第2章 企業不祥事の原因を考える
第3章 事例研究
第4章 コーポレートガバナンスと4つの安全装置
第5章 わが国のコーポレートガバナンスの問題点
第6章 実効性のあるコーポレートガバナンスの構築に向けて
第7章 コーポレートガバナンスの新潮流―「日本版スチュワードシップ・コード」と「コーポレートガバナンス・コード(原案)」
附録 2014年の主要な企業不祥事
著者等紹介
井上泉[イノウエイズミ]
1972年慶應義塾大学商学部卒業。安田火災海上保険株式会社((現)損害保険ジャパン日本興亜株式会社)入社。2001年執行役員国際業務部長。2002年取締役コンプライアンス部長。2003年取締役常務執行役員(総務部、人事部、リスク管理部、法務部、業務監査部等を担当)。2005年日本道路公団分割民営化に伴い東日本高速道路株式会社常勤監査役に就任。2010年東日本高速道路株式会社顧問。2012年ネクスコ東日本リテイル株式会社顧問。2013年株式会社ジャパンソリューション代表取締役兼社長(現在)。2015年日産車体株式会社監査役(現在)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Emkay
16
一般論は平凡だが、意外と実例集の詳しい説明が面白い。共通項は上司以上の上層部の対応のまずさ。大した事件ではない、あるいは金額が大きすぎてヤバイと企業組織が判断したり、第三者がチェック機能を発揮できなかったり。「不祥事」だという認識を当事者は意外と持てないのだと思う。何か事が起こったら、真価が問われるのはむしろそれにどう向き合って対応するかというのは、ヒトも会社も同じ。あと驚いたのは、企業不祥事の数の多さ。最後に附録で列挙されていた2014年の不祥事リストの長さには驚き。もう日常茶飯事といってもいい。2018/05/09
zoe
9
再読。この時期、どうしても原発事故が話題にのぼります。だけれでも福島の事故は、普通の企業不祥事とは違うような気がしますし。いやでも、そもそも不祥事事態が普通じゃないのだしと思ったり。何に書いてあったか思い出せないのですが、デインジャーとリスクを別々に考えるもの。大した感想でもレビューでもなく、スミマセン。2017/03/12
takam
4
2015年以前の企業不祥事を取り上げ、今後のコーポレートガバナンスのあるべき方向性と取り組みが議論されている。この本を見て思うのは、日本のサラリーマン全体に言えることだがトラブルの対応能力が高いとは言えない。どこか他人任せであったり、決断と行動が遅かったりする。マスコミや世論によって経営者は行動しているように見える。また、社会の規範と社内の規範に乖離が現れ、それが問題を引き起こすのだと思う。企業不祥事の多くは経営者や責任ある人間より引き起こされるが、多くの人の人生を狂わせる点で非常に罪深い。2019/03/07
こうきち
2
なるほどなぁ2016/07/05
とも豆
1
企業不祥事における論文で非常に参考になった。不祥事と一括にしてもそれぞれ特徴を持っており、勉強になる。構成もわかりやすく読みやすい一冊。CGCがさらに加速する時代なので経営者だけでなく従業員も経営者目線での業務が求められる。