内容説明
年間販売100万台を超え、カローラと並ぶ最量販車であるトヨタの新興国車IMV。販売でも利益でも、新興国で大きな成功を収めている。その成功要因は、製品開発、製造、調達など多岐に渡るイノベーションにある。製品開発組織Zの現場から新興11カ国12工場の現場まで、さまざまな現場の人々をインタビューし、驚くべき正確さでそのイノベーションの全貌に迫る。
目次
IMVという車
第1篇 IMVにみるトヨタの新興国車開発―開発ルーチンの保持と変異(開発の概要;トヨタの開発ルーチンと新興国車IMVの開発ルーチン―設計情報の創造に関するルーチンの保持と変異;第2トヨタは破壊的イノベーションの担い手たりえるか?―この組織分化は開発組織の進化か?)
第2篇 IMVにみるトヨタの新興国車製造―製造組織のルーチンの保持と進化(製造の論点と概要;グローバル供給態勢(新興国における企業内世界分業)の変化
製造拠点の概要
多車種多仕様混流生産の問題と解決―製造ルーチンの横展と変異)
第3篇 IMVに見るトヨタの新興国での部品調達―アジアでの系列調達の進化(深層現調化)、南ア、南米での非系列調達の拡大、調達ルーチンの進化(「外注部品の設計承認」と「原価設定・改定(準レントの分配)」のルーチン―IMVにおける調達ルーチンの保持
アジアにおける系列取引と深層現調化―アジアにおけるTMCの調達ルーチンの保持とTierlの調達ルーチンの変異
南ア、南米では系列外との取引―南ア、南米におけるTMC現法の調達ルーチンの変異
TMC現法におけるJSP、MSP、LSPの購買管理―内示(予測)と確定のタイミングと、内示(予測)の精度)
トヨタは無消費との対抗でもジレンマを超えられるか?―本書の結論とインプリケーション
著者等紹介
野村俊郎[ノムラトシロウ]
1959年京都府に生まれる。1990年立命館大学大学院経済学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学。現在、鹿児島県立短期大学教授。専門は製品開発論、生産管理論、サプライヤー・システム論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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