内容説明
人間は、自然を所有することはできない―温暖化により解氷の進む北極で形成される開発体制=「積極的適応体制」の構造と対先住民統治の実態を、フーコー「統治性」の概念を用いて分析。北極海の領海分割を進める沿岸諸国に対して、スチュワードシップに基づく北極再生を対置し、人間による自然所有を否定する反所有的コモンズ論=「純粋コモンズ」の理論を提起する。北極から生まれる、新しいコモンズ論。
目次
第1章 積極的適応戦略
第2章 北極評議会
第3章 北極開発と先住民
第4章 気候変動下における先住民の適応過程
第5章 主権=所有権レジーム
第6章 積極的適応の対抗戦略
第7章 純粋コモンズの理論
著者等紹介
片山博文[カタヤマヒロフミ]
1963年生まれ。東京大学文学部ロシア語・ロシア文学科卒業。一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、桜美林大学リベラルアーツ学群教授。専門は環境経済学、比較経済体制論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。