内容説明
21世紀に甦る「関係性」と「プロセス」の社会思想。今、世界は新たな多元主義の時代を迎えた。グローバリゼーションとネット社会の進展を背景に、繰り返される「テロと戦い」の時代の中で、多者と「共に生きる」にはどうすればよいのか。本書は、20世紀初頭に米国で活躍した社会思想家にして実践家、M.P.フォレットの思想の全体像を示し、21世紀の新たな社会像を模索した意欲作である。
目次
第1章 序論
第2章 フォレットの生涯とその時代―素描
第3章 フォレットの思想的基盤
第4章 フォレット理論の方法と主要概念
第5章 フォレットの組織論・管理論
第6章 結論と展望
補章 ‘managerialism’の形成とマネジメント思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
手押し戦車
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マネジメントの責任は組織階層の頂点にだけ集中しているのではなく、ビジネス組織全体にくまなく存在する。権力と責任は程度の違いはあっても業務ライン全体に広がっている。最高責任者の役割は、分散する権限やさまざまな責任をまとめて組織を集団的行動や思想に導くことであり、先の状況を予見して対応することである。服従を前提とした権力の行使は人に利益をもたらすものではなく、効果的でやる気を与えるマネジメント管理の基盤にもならない。指示や命令であっても、その背景となる状況を伝えることにより相手に屈辱感なしに受容される。2015/03/06