内容説明
後発の社会はいかなる論理と過程を経て成長し、またその社会を変容させてゆくのか。本書はこの疑問に主として韓国と日本を取り上げながら論じる。いずれも後発の社会でありながら、その成長のスタートの時期、初期条件、社会のあり方にそって両社会は異なった構造をもつに至っており、本書はその形成の論理に迫ろうとするものである。力作。
目次
第1章 伝統的朝鮮社会の社会構造(伝統的基礎構造―家族の構造;血縁を基礎とする社会の人間関係ネットワーク;エリート社会の原型;縁を基礎とする社会の人間関係ネットワーク)
第2章 経済成長の論理(経済成長の社会学的考察;経済成長をどう表すか;いかにして経済成長を促すか―ルイス・モデル;韓国の経済成長;もう一つの工業化パターン―日本モデル)
第3章 成長過程の社会変容(都市への人口移動;家族の変化;学歴の向上と「新」中間層の形成;賃金構造と消費生活の変化;アジア「近代化」再考)
第4章 「財閥」―経済成長の担い手(誰が成長と変化を担ったのか;財閥かネットワークか―日本・韓国VS台湾)
終章 開発と社会変化(個人レベルのポテンシャルの発揮;組織レベルのポテンシャルの発揮;社会におけるパフォーマンス;残された問題)
著者等紹介
服部民夫[ハットリタミオ]
経済学博士。1947年大阪生まれ。1971年同志社大学文学部社会学科卒業、同年、アジア経済研究所に入所、研究所在職時に、ソウル大学校、ハーバード大学で客員研究員。1991年同研究所退職、東京経済大学経営学部教授。1996年同志社大学文学部社会学科教授。2002年東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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