内容説明
クジラと日本人のすべてを描いて大反響。朝日、毎日、日経など43紙・誌・TVが絶賛の話題作。
目次
序 クジラが宙に舞うとき
1 白鯨ストックホルムに浮上
2 海賊捕鯨
3 南氷洋で何が起きたか
4 クジラを科学する
5 クジラと人間の文化史
6 クジラと日本人
7 反捕鯨の論争を追う
8 日米クジラ世論調査
9 国際捕鯨委員会の内幕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
9
あらゆる方向から捕鯨問題を扱ったルポルタージュです。日本では捕鯨問題といえば「水産資源の有効活用」「動物愛護」「ジャパンバッシングの手段」「文化の保護」等で語られることが多いですが、この本を読むと、いかに日本人が狭い視野の中だけでしか捕鯨問題を認識していないかが分かります。「自分たちの主張は科学的で論理的」と自負し、反捕鯨を訴える国を「感情的で非理論的」と非難しておきながら、裏では密漁や密輸に手を染め、「昔は他国も乱獲していた」と開き直る態度は、原発事故や慰安婦問題の対応の酷さに通ずるものを感じます。2015/12/29