感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Masatoshi Oyu
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筆者によれば、家の論理は日本的経営の本質である。では家とは何か。本書の魅力は、この家の分析から始まり、その内在的論理を描き、それらが日本の近代化をとおしてどのように息づき、戦後まで生きながらえていくのかを明快に記述しているところである。 そして、筆者によれば家は日本独自ではなく西洋にも存在していたのであり、ただ西洋では資本制生産の発達とともに順次家は解体し、消滅してしまった。しかし日本では、家の解体消滅という現象は同様に進行したが、論理だけが生き残った。なぜか。ここが全体を通じたポイントであるように思う。2019/01/14