内容説明
皮膚疾患の診断治療においては、縦割りのみならず横割りの柔軟な思考能力が必要である。「発熱を伴う発疹をみたとき」、「疼痛がある発疹をみたとき」、「毛が抜けた、全身の皮膚がむけた、全身が真っ赤になった」などなど、日常診療では各論の知識だけでは十分対応できず、応用問題に取り組む姿勢が重要である。本書編集で最も力を入れた点は、皮膚科全分野を網羅することではなく、とくに最近重要と思われる事項に的を絞ったことである。Physician scientistを育てることはもちろんのこと、皮膚疾患の考え方、楽しさ、奥行きの深さを伝える教本。皮膚科専門医のみならず、他科の先生方、医学生、看護師、そのほか多くの医療従事者にとっても面白く、かつ役立つ教科書。
目次
皮膚の発生を知らずして皮膚病を語るなかれ―皮膚の発生と皮膚疾患の関連
水ぶくれの診断は奥が深い―水疱をみたときの考え方
全身が真っ赤だ、さてどうしよう?―紅皮症をみたときの考え方
毛が抜けた―脱毛症の診断と治療
角層が厚くなっている―角化異常症を疑ったときの対応の仕方
発疹が痛い!―疼痛を伴う皮疹をみたときの診断の筋道
熱がある―発熱を伴う皮疹をみたときの考え方
ウイルス感染症かもしれない―発疹性ウイルス感染症を疑った場合:どこまでどのように検査するか?
薬を飲んでいる患者に発疹がでた!―薬疹の検査から確定診断まで
この皮疹は膠原病か否か?―膠原病を疑ったときの考え方〔ほか〕
著者等紹介
清水宏[シミズヒロシ]
北海道大学大学院医学研究科皮膚粘膜病学教授
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