出版社内容情報
《内容》 従来ともすれば,繁雑でわかりにくい,とのイメージの強かった肺機能テストは,一つ一つの数字のもつ意味を考えると非常に意味深く楽しいものとなる.本書は興味深く読み進めながら,必須の数字や数式が自然に身につき臨床の場に生かせるよう工夫されている.2色刷、図150点 《目次》 1.肺の役割と構造2.ガス交換はどのように営まれるか──3大条件と「花とミツ蜂」──3.なぜ動脈血ガスをはかるのか──生命維持の羅針盤──4.動脈血ガスから知りうるもの5.動脈血の採血の仕方と保存6.動脈血ガスの正常値──PaO2の年齢による低下──7.「分圧」とは何か8.液体中のガス分圧とは9.動脈血ガス分圧を規定する6つの要因──PaO2とPaCO2のちがい──10.大気中から組織までの酸素分圧の変化(O2瀑布)11.大気中の酸素濃度と吸入気の酸素分圧12.肺胞気の酸素分圧13.肺胞気と動脈血の酸素分圧の差──AaDO2の意味するもの──14.換気・血流比とその不均等15.「拡散」障害──肺胞から,赤血球までの旅路──16.肺内の静脈性短絡(シャント)とそのはかり方17.組織へ運ばれる酸素18.PaCO2は肺胞換気量によってきまる19.肺胞換気量──死腔の意味──20.浅くて速い呼吸と深くてゆっくりした呼吸のちがい21.肺胞低換気と呼吸調節の障害22.pHは何できまるか23.呼吸性アシドーシスとアルカローシス24.呼吸性アシドーシス,アルカローシスの腎による代償25.血液ガスから酸・塩基平衡を読みとるには26.ダイアグラムが手元にない時の酸・塩基平衡障害診断の目安27.低酸素血症のみわけ方の指標と酸素投与の適応28.酸素投与──吸入器具によるちがい──29.酸素投与の安全性30.家庭酸素療法と酸素濃縮器31.酸素吸入下の運動療法──とくに歩行練習──32.肺胞換気量の維持とレスピレータの初期設定33.レスピレータをつかう際に必ず知っておくべきこと34.アシドーシスの補正とアルカリ剤の投与35.スパイロメトリーとは36.スパイロメータの種類と構造37.肺気量の分画とその名称38.肺活量──吸わせてからはくか,はいてから吸わせるか──39.肺活量と姿勢──立位か臥位か──40.予測正常値とそのパーセント──肺活量を例として──41.残気量の測定法──He希釈法──42.残気量のもうひとつの測定法──体プラチスモグラフ法──43.肺気量分画の異常44.努力性呼出曲線と努力性肺活量45.正確な努力性呼出曲線を得るには46.1秒量,1秒率,FEF25-75の正常値47.最大換気量(MVV)とは48.スパイロメータでわかる換気障害のタイプ──拘束性と閉塞性──49.換気障害の程度のおよその指標50.閉塞性障害のベッドサイドでの診断──マッチ吹きテスト──51.フローボリューム曲線と努力性呼出曲線の関係52.フローボリューム曲線の測定53.各種障害時のフローボリューム曲線のかたち54.フローボリューム曲線の指標55.フローボリューム曲線の正常値とその評価56.吸気フローボリューム曲線の意義57.気管支拡張剤による気道閉塞の可逆性検査58.He-O2フローボリューム曲線59.気流の性質──乱流と層流──60.呼吸抵抗(RT)とオッシレーション法61.気道抵抗62.最大呼気速度は何できまるか63.肺のかたさ,やわらかさ──コンプライアンスの測定──64.安静換気量は何によってきまるか65.コンプライアンスの異常と疾患66.胸腔内圧の測定と食道バルーン法67.肺内ガス分布の測定とN2洗い出し曲線68.クロージングボリュームの測定とその異常69.DLCO(肺拡散能)検査70.DLCOの臨床的評価索引