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出版社内容情報
《内容》 21世紀は新興・再興感染症の時代といわれる.感染症というと一般には細菌やウイルス感染を想起するが,寄生虫症は感染症の中で重要な位置を占めている.わが国は古くから寄生虫症の多い所として知られていたが,農村が近代化されて生活環境が整備されると共に,衛生教育や集団検診の普及,治療法の開発などによって,主として土壌に由来する回虫,鉤虫などが激減した.人体寄生の寄生虫は120種にも及ぶが,代表的な寄生虫の減少によって,一般市民だけでなく,医師,検査技師などの医療従事者の寄生虫症に対する関心までが薄れ,20世紀後半には医学教育の場においても軽視される事態をまねいた. ところが,これらのことは日本特有の現象であって,地球規模でみれば今なお世界には寄生虫症が蔓延しており,国内においても,経済発展に伴って熱帯発展途上国との交流が盛んとなり,在留外国人や海外渡航者が一段と増え,生鮮食品の輸入も増加一路で,全世界の病気が短時間に持ち込まれる時代となった.高齢者が多くなるにつれ,免疫不全による日和見感染の寄生虫症も臨床的に重視されるようになってきた.分子生物学などの進歩によって,寄生虫が生体の生理機能解明などに好適な研究材料として用いられるようにもなっている.これからの医師,検査技師には多様化・増加する寄生虫症に的確に対応するための寄生虫学の知識が欠かせない. 本書は,吉村裕之編集「寄生虫学新書」の全面改訂版.21世紀の医学・医療を担う医学生と臨床検査科学生向けに,最新の知見を盛り込みつつ,必要最小限の事項をわかりやすくまとめた絶好の教科書である.2色刷,口絵カラー16頁(カラー写真238点) 《目次》 総 論1.寄生虫症の蔓延2.寄生虫学の概念と寄生現象3.寄生虫の分類4.発育と生活史5.寄生虫感染と病態6.臨床と治療7.寄生虫症の疫学と予防対策各 論1 原虫類 1.原虫類総論 2.消化管寄生 3.血液・組織寄生 4.泌尿生殖器寄生2 吸虫類 1.吸虫類総論 2.腸管寄生 3.肝・胆管寄生 4.組織寄生3 条虫類 1.条虫類総論 2.成虫が腸管寄生 3.幼虫が組織寄生4 線虫類 1.線虫類総論 2.成虫が腸管寄生 3.成虫が組織寄生 4.幼虫が組織寄生5 鉤頭虫類6 衛生動物類 1.衛生動物類総論 2.吸血昆虫類 3.ダニ類 4.不快害虫とアレルゲンになる動物 5.有毒動物 6.ネズミおよび人畜共通感染症 7.衛生動物の防除7 診断・検査法 1.主な症状から見た寄生虫症 2.原虫検査法 3.蠕虫検査法 4.免疫診断法 5.遺伝子診断法 6.衛生動物検査法8 治療薬とその用法
目次
総論
各論(原虫類;吸虫類;条虫類;線虫類;鉤頭虫類 ほか)
著者等紹介
井関基弘[イセキモトヒロ]
大阪市立大学助教授
上村清[カミムラキヨシ]
富山医科薬科大学助教授
木村英作[キムラエイサク]
愛知医科大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。