内容説明
本書は近代インド最大の世界的碩学S.ラーダークリシュナン教授の『インド哲学』の抄訳である。原著は複雑多岐にわたるインド哲学の展開を、上下二巻で思想の一筋の伝統として辿ることで、インド思想の古典的註解を提出している。著者は古代・中世の文献を順に取り上げて、それらが現代の哲学及び宗教の諸問題とどのように関係しているかを明らかにする。彼は個々の文献と哲学の本質的な意味と意義を提示しながら、同時にインド哲学の伝統と西洋哲学の伝統の並行的な発展現象を、比較思想・比較宗教論の手法によって浮き彫りにしていく。上巻では、リグ・ヴェーダの讃歌、ウパニシャッドの哲学、ジャイナ教、仏教、バガヴァッド・ギーターの人格神論の記述を抜粋。
目次
第1部 ヴェーダ期(リグ・ヴェーダの賛歌;ウパニシャッドの哲学への移行;ウパニシャッドの哲学)
第2部 叙事詩時代(叙事詩の哲学;バガヴァッド・ギーターの人格神論)
著者等紹介
山口泰司[ヤマグチヤスジ]
1941年東京に生まれる。1960年早稲田大学第一文学部哲学科西洋哲学専修入学。1962年早稲田大学大学院博士課程修了。明治大学文学部教授(1988‐2012)、ケンブリッジ大学客員研究員(1994‐1996)、インド、シュリー・オーロビンド・アーシュラム客員研究員(2004‐2005)などを経て、現在、日本ヴェーダーンタ協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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