内容説明
東西の文学と文化が、比較対照されるようになってから、久しいが、本著は新しい視点と問題意識をかかげて、極めて自由に、かつ大胆に、双方が影響しあう点を論じて、実証的である。ハーン、イェイツ、エリオットを始め、イマジズムの詩人に及んでいる。また、更に謠曲、芭蕉、漱石、上田敏、泣菫らの作品に関心を抱き、ロバート・ルイス・スティーブンスンの日本人観を評釈している。そこで、今後の世界文学、宗教、芸術に互って、その在り方への指針となるべく、リーチ、大拙、ユングの思想をも紹介に努めている。
目次
1 イェイツと鈴木大拙
2 イェイツとイマジズム詩人らの東洋文化の受容(『日本からの模倣』(日本を真似て)
エリオットと東洋的無の静寂
芭蕉とカール・サンドバーグ ほか)
3 英米作家の日本の伝統文化の受容とその現象―ことに小泉八雲、夏目漱石、イェイツ、フェノロサ、バーナード・リーチについて(燒津における八雲;八雲の書簡五通と母節子より長男一雄への手紙;熊本大学訪問及び旧五校々舎資料 ほか)
4 世界史的な思潮の中の日本及び東洋文化(ユングとThe I Chingの『金華経』;セオソフィカル・ムーブメントとイェイツ;イェイツと謡曲とのかかわり ほか)
著者等紹介
伊藤宏見[イトウヒロミ]
昭和11年7月31日横浜市新羽に生まれる。早稲田大学文学部英文学科及び同大学院卒。東洋大学文学部教授。良寛会々長。沙羅短歌会主宰会長。W・B・イェイツの研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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