内容説明
迫力の生態写真×最新の研究。ツキノワグマの秘密に迫る!最新データが解き明かすツキノワグマの暮らし。
目次
1 ツキノワグマの身体(ツキノワグマの形態;ツキノワグマの五感 ほか)
2 ツキノワグマの生活(ツキノワグマの一生;ツキノワグマの一年 ほか)
3 ツキノワグマのフィールドサイン(足跡;フン ほか)
4 ツキノワグマがわかる!Q&A(ツキノワグマは世界のどこにいる?;ツキノワグマはいつ、どこからきたの? ほか)
著者等紹介
小池伸介[コイケシンスケ]
1979年、名古屋市生まれ。博士(農学)。現在、東京農工大学大学院農学研究院准教授。専門は生態学、主な研究対象は、森林生態系における植物‐動物間の生物間相互作用、ツキノワグマの生物学など。現在は、東京都奥多摩、栃木県、群馬県の足尾・日光山地においてツキノワグマの生態や森林での生き物同士の関係を研究している
澤井俊彦[サワイトシヒコ]
東京都生まれ。1980年から北アルプス地域でコダクロームフィルムによる撮影を始め、現在は『季の肖像』『森の肖像』『山の肖像』の3つを柱にして日本の山を撮る。2016年、第5回田淵行男賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
57
私は週末を待ち兼ねては山々へトレッキングに出かけます。登山口には「熊出没注意」の看板を多く目にしますし、熊に出会った時の対処法なんて注意書が立てられている所も普通にあります。もちろん、山中では熊鈴を装着して歩きます。私はブナの森を好んで歩きますが、クマもまたブナの森が大好きなようで。山中では、熊のフィールドサインを良く目にします。目撃はしたことありませんが、絶滅危惧種の筈なのにそうそう熊はいるのだろうか。そんな熊の生態を知りたくて読んでみました。どうやら、身近に熊はいるようです。怖いなぁー。2020/08/13
たまきら
48
読み友さんの感想を読んで。フルカラー、膨大な写真資料でツキノワグマを紹介している一般書です。山の食べ物の説明に、里に下りてきてしまう理由を見出せました。山の植生をクマに優しいものにすることで抑止力になれないのかなあ…。なぜ冬眠中に筋力が落ちないのか骨粗鬆症にならないのか、という研究は勉強になりました。四国のクマが絶滅寸前とありますが、九州のクマはあまり研究されないまま絶滅しています。日本の過疎化が進む中、クマをはじめとする野生動物の分布は変化していくんだろうなあ…。 2024/01/22
道楽モン
26
写真満載とは、こんなにも説得力があるものなのですね。ページをめくる毎に、新たなる知見が得られる。見ても読んでも楽しい。ツキノワグマ、かわいいー。とはいえ、厳しい気候や食料の確保、外敵からの防衛などで、毎日、毎時間、生と死の間の緊張感で生きている。生息環境の中で、種としてのクマという存在は、やはり大いなる自然の一角なのだ。人間との生活圏の問題で、遭遇すると大変な事態になる恐れがあるからこそ、我々は彼らを知る必要がある。たんなる自己防衛ではなく、ツキノワグマという生き物に対する畏敬の念を込めてね。2023/11/14
tosca
25
序文の「…私は、小さく極めて人口密度が高い島々に、この漆黒姿の大きな獣が悠久の時を経て暮し続けているという事を誇りに思うし、これからも日本の森に存在し続けて欲しいと強く願っている」という著者の思いに頷く。生態系の頂点に立つ熊はもともと数が少なく、人が強度の捕獲圧をかければ絶滅できる種なのだという。熊の死因の多くが人間による有害駆除と聞くと悲しくなる。まだ日本では広がっていない『ベア・ドッグ』のような活動に期待したい。冬眠中に穴の中で出産するとか、知らない事ばかり。ツキノワグマは顔が丸いので本当にかわいい。2023/11/28
roatsu
19
今秋、里への出没で人身被害が発生しマスコミの煽り半分の報道と、致し方ないが一般の無知と偏見が相まって過剰に危険視されるツキノワグマについて、その生態を精細な写真と分かりやすい解説で説く一冊。よく撮ったなあという様々な場面における彼らの写真が素晴らしい。夏の雪田で母と戯れる子熊や冬眠穴から母と共に顔を出す子熊の愛らしさは人間と何ら変わらず、概ね食べ物を追って活動する様子は必死に生きようとする健気さに溢れている。自身も長年登山をしていて熊に出くわしたことがあるが、被害を受けたことはない。それが幸運にすぎないに2020/10/13
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