出版社内容情報
市民の力を集結し、ネットを活用して課題解決に取り組む!
多様な人たちの多様なスキル,経験を集めて,地域の課題から地球環境問題までの解決に取り組む「市民科学」。
その魅力と効率的な運営のためのノウハウを紹介。
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科学は科学者だけのものじゃない!
いろんな人たちみんなで計画して,みんなで調べて成果を上げる時代がやってきた。地域の課題から地球環境問題まで,市民の力を結集してとりくむ「市民科学」のノウハウを,日本の第一人者が解説。
○市民科学ってそもそも何?
学生だけどプログラミングが好き,地元の昆虫ならほとんど同定できる,書類整理が得意,漁業者だから自分の漁場の潮の流れはよく知っている……。市井の人々はいろいろな経験を積み,いろいろなスキルを持っています。
そうした多様な人たちの力を集め研究に生かす,市民主体の科学研究が「市民科学」です。この30年ほどの間に,欧米を中心とした各地で,科学者だけではとうていできない大きな調査プロジェクトが実行され,次々に成果を上げています。
最近は,調査に適した無料のスマホアプリも提供されるようになり,参加のハードルが格段に低くなりました。いつでも,だれでも,容易に参加できるようになったのです。それによって,カバーできる範囲や規模が格段に大きくなっています。
○この本で紹介するのは?
参加を通じて,参加する市民にとってもやりがいや生きがいを見つけられる魅力的なプロジェクトをどのように築き,課題の解決につなげるかを,調査計画の中軸を担う方々に向けて紹介しています。
市民の力を集めるといっても,限界はあります。利点と限界を見極め,実効をあげるプロジェクトをどう運営するのかのノウハウを,国内外の豊富な実例を挙げながら解説します。市民科学の採用を考えている,自治体担当者,学校教員,地域の自然を研究する団体の方などにおすすめです。
内容説明
市民科学とは、科学を本職としない一般の人々が科学研究に参加すること。生物多様性や環境汚染に関するものだけでなく、防災、遺跡の発見や保護、古文書の解読など、生活や安全にかかわるものや人文科学に関するものも多数行われています。とくに近年は、スマホで楽しみながら参加できる例が増え、特にめざましい成果が上がっています。この本では、その歴史や背景、現代における展開を紹介し、実りあるプロジェクトを組み立てるためのポイントを解説しています。市民科学プロジェクトを計画してみたい方、参加してみたい方におすすめします。
目次
第1章 市民科学が新たな扉を開く
第2章 プロジェクトを成功に導くカギ
第3章 市民科学の展開とその背景
第4章 日本、英国、米国の市民科学史
第5章 情報社会がもたらしたイノベーション
第6章 市民科学の多様な展開
第7章 市民科学の実践方法
第8章 市民科学の課題と将来に向けて
特別寄稿