内容説明
海を生業の場とし、漁撈はもちろんのこと海浜部では盛んに製塩を行い、航海術にもたけていた「海人(かいじん)」とはなにか。西日本を中心に広く分布している海人の実態を紀伊半島沿岸部に焦点をあて分析し、さらに海人と深く関わったと考えられる古代氏族「紀氏」、大和の豪族「葛城氏」との親密な関係について取り上げる。また、瀬戸内における影響力、さらの黒潮文化圏ともいえる太平洋沿岸の他地域との交流についてさまざまな視点から論じる。
目次
第1章 紀伊半島の位置と環境(紀伊半島の位置と地形的・歴史的環境;紀の川流域の環境)
第2章 紀伊半島における海人の生業について(塩にまつわる話;製塩土器研究史 ほか)
第3章 海を介した交流―黒潮文化圏(黒潮文化圏;西庄遺跡について ほか)
第4章 紀伊の古墳文化(古代氏族―紀氏;古墳出現前夜の様相 ほか)
著者等紹介
冨加見泰彦[フカミヤスヒコ]
1952年和歌山県に生まれる。1975年駒澤大学文学部歴史学科卒業、國學院大學文学部学士入学。元和歌山県立紀伊風土記の丘主幹(学芸課長)。2010年大阪大谷大学文学研究科文化財学専攻単位取得。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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