出版社内容情報
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内容説明
隠れユダヤ教徒「マラーノ」と日本の隠れキリシタン。東西二つの「隠れ」信徒集団の発生とその後の歴史をトレースし固有性(異質性)と共通性(同質性)までを明らかにする。
目次
序章 なぜ、東西二つの「隠れ」信徒集団なのか
第1部 反ユダヤ主義と隠れユダヤ教徒―「マラーノ」の発生から四散に至る変容過程(反ユダヤ主義の構図;隠れユダヤ教徒「マラーノ」の発生;異端審問の開設とユダヤ教徒追放令;自由の国を求めて―マラーノの拡散)
第2部 隠れキリシタンの系譜―「宣教時代」から「迫害・潜伏時代」への変容過程(日本における宣教と禁教・潜伏;布教・発展から規制へ;徳川政権と反キリシタン政策;「隠れ」から「崩れ」へ)
第3部 二つの「隠れ」信徒集団の固有性と共通性―隠れユダヤ教徒、隠れキリシタンの比較を通して(マイノリティ性と「隠れ」(クリプト)の構造
「隠れ」信徒集団をめぐる政治と宗教)
著者等紹介
濱田信夫[ハマダノブオ]
長崎県生まれ。大阪府立北野高校、神戸大学経営学部を経て、1970年川崎製鉄(株)入社。2004年、法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。博士(経営学)。同年、九州ルーテル学院大学人文学部教授。現在、同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
62
ヨーロッパ中世の隠れユダヤ教徒と日本の江戸時代隠れキリシタン。 比較、というより、それぞれの歴史について述べたもの。 十字軍が自国のユダヤ人に襲い掛かったというのは知らなかった。 天草四郎は存在していなかった説というのもあるのですね2023/05/31
壱萬参仟縁
56
著者から献本賜りました。高校生では、世界史Bや日本史Bを接合する画期的なテーマです。UNESCO世界文化遺産の潜伏キリシタンのことを歴史的にアクティブラーニングしていくには、重要な文献です。高校生はもとより、政治と宗教の問題を今日的に問題化していることから、多くの方々に、一読をおススメ致します。 2023/01/18