内容説明
こんなにスケールの大きな日本人がいた!剣道を通して日米の架け橋となった森寅雄は実業家としても活躍し、流暢に英語を使いこなし、強烈なバイタリティと鋭い国際感覚を持った、戦前の日本人としては珍しい人物だった。
目次
織物の町、桐生と出版王、野間清治
教育塾、野間道場
剣師、持田盛二
栄光の巣鴨中学剣道部
運命の天覧試合
未知なる大地へ
昭和の武蔵、ロスに渡る
全米を席捲した剣
剣の絆
新時代への胎動
日米剣道の掛け橋
世界選手権開催への夢
海はるかなり
著者等紹介
早瀬利之[ハヤセトシユキ]
1940年(昭和15年)長崎県生まれ。昭和38年鹿児島大学卒業。石原莞爾研究者。日本ペンクラブ会員、満州研究会会員。関東戸山流居合剣道会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tetsubun1000mg
10
剣道着と防具を付けた表紙と「日米の懸け橋となった幻の剣士・森寅雄」のタイトルに惹かれて選ぶ。 講談社の創業者の野間清治を叔父に持つ剣道の達人がアメリカに渡たりハワイ・ロスで剣道を指導後、フェンシングを学び全米クラスの選手となる。フェンシングでは五輪米国監督を務めながら、全米剣道連盟会長を歴任して日米大学の剣道交流を進める。 その後にブラジルなどでも普及に努め、剣道の国際大会創立に尽力する。そんな歴史を時間をかけて掘り下げて、筆者が平成4年に初版を発行したらしい。ただ、文章は研究論文風で少々苦戦した。2021/08/09
くものすけ
8
大学剣道部の同期から紹介を受け早速アマゾンで購入して読んだ本。森寅雄まったく知りませんでした。昭和の武蔵とも呼ばれた剣豪、しかも出身は私の地元埼玉の隣群馬県桐生と聞いて驚きました。少しだけ親近感が湧きました。それにしても少年の頃から日に三度の稽古、盆正月も休まずに剣道というのも大変な努力家だったことが分かります。間合いの詰め方が上手いと記されていました。日米を股に掛けた大活躍にはびっくり仰天しました。2023/04/25
イコ
3
剣道の才能から昭和の武蔵と呼ばれ(吉川英治の武蔵もにも少し影響されているようだ)、渡米後はフェンシングチャンピオンになり、米国のフェンシングチームで監督をしてた剣豪。筆者と同じ経緯で森寅雄を知っていたが、司馬遼太郎が紹介していたこともあり、20年くらいは気になっていた人物だ。森寅雄の伯父の話も面白く、講談社を作った野間(野間文芸新人賞の元になった人)の話も面白く、講談社の歴史も知れた。剣道とフェンシングをマスターしてるってカッコ良すぎる。映画化しても良いくらいの人物だ。2021/09/11