内容説明
非凡な「戦略家」か?稀代の「変節漢」か?「カリスマ神話」や「英雄像」を否定する画期的な論考。ほとんど学術研究の対象とされなかった信仰問題の分析を通して、石原の言動の変遷と日蓮主義信仰の影響、そしてこれまで語られてこなかった石原の人物像に迫る。
目次
第1章 「つくられた石原莞爾像」―カリスマ神話の形成
第2章 「八紘一宇」と日蓮主義
第3章 「最終戦争」と「予言」―日蓮主義運動と入信過程
第4章 陸軍の課題としての対米戦略
補論1 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』に見る日蓮主義信仰と社会変革
第5章 満洲侵略の前提状況
第6章 満州事変の決行
第7章 満洲国建国にともなう変節
補論2 石原莞爾の「発心」についての推論
第8章 参謀本部改革と「国防国策」
第9章 構想の破綻と変節
第10章 満州事変と予言信仰の錯誤
著者等紹介
伊勢弘志[イセヒロシ]
1977年大分県生まれ。明治大学大学院文学研究科修了。博士(史学)。現在、明治大学文学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むっち
3
かって石原氏の最終戦争論を青空文庫でざっと読んだ感想は妄想のような話で戦争が始まったのかと思い、まるでどこかの新興宗教の教祖さまのような発想から満州事変から始まる日米戦争へと誘導されたのかとおもいきゃ。この本の発想はむしろ宗教的装いは、日米戦争の必然にむけて満州経営の正当性を主張するために日蓮主義が利用された。だから変節が3度も起きたという整理だった。現在とつながる視点では、むしろ日米戦争を石原の意識させたアメリカにおける人種差別政策に対する日本の世論の反発した時代背景が石原のアメリカ嫌いと五族共和のアジ2016/07/17
Takeshi Kubo
0
本書は、石原莞爾の「変節」と「信仰」という、石原を研究する上で必ず突き当たる「難問」について論じたものです。 率直に言うと、読んでみて「衝撃」を受けるような結論では無いと感じました。しかし、石原が最終戦争の計画を進めるにあたり、それに合致するものとして日蓮主義を「選択」したという点など、私個人としては納得のいく議論が幾つか見られます。そして、今まで正面から論じられることがほとんど無かった「難問」を扱っているという点で、本書は非常に意義のある石原研究だと思います。2015/12/23
T F
0
日蓮主義も五族協和も東亜連盟も対米戦争ありきの後付ということ?2023/07/17
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