内容説明
やがて大量虐殺へと進むヒトラーの迫害を逃れて極東にやってきたユダヤ人に、日本はどう対処したのか?ユダヤ問題を直接的に体験してこなかった日本は、彼らの世界支配の陰謀と呼ばれるものへの恐怖感と、残虐な人種政策の犠牲者への同情のはざまで一貫した対応はできなかった。しかし、リトアニアでの杉原千畝副領事の「命のビザ発給」、満洲での樋口季一郎将軍の「大量難民救出」など、ナチス・ドイツに同調せず、ユダヤ人を絶滅から救った例もある。ハルビン・神戸・上海を舞台に、当時の日本の関わりを克明に描いた労作。
目次
第1章 反ユダヤの幻影(シフの功罪;皇道派と統制派 ほか)
第2章 ハルビンから上海まで(関東軍と樋口の介入;結節点ハルビン ほか)
第3章 通過国日本(命を救った外交官、杉原副領事;情報収集の命をうけて ほか)
第4章 極東のゲシュタポと「ゲットー」(「粗暴の輩」マイジンガー;上海ミッション ほか)
第5章 文献にみる日本のユダヤ政策(日本のユダヤ研究;反ユダヤ主義と超国家主義 ほか)
第6章 エピローグ
著者等紹介
マウル,ハインツ・エーバーハルト[マウル,ハインツエーバーハルト]
1937年ドイツ生まれ。元ドイツ連邦軍空軍将校。連邦空軍参謀大学終了後、防衛庁防衛研究所への留学を経て在日ドイツ大使館付武官として勤務。1992年に退役。現在はフリーランス・ジャーナリストとして日本、アジア、中東を重点に執筆活動を行っている。その間ボン大学で日本現代政治史を研究し、論文「日本とイスラエル国家の関係」で修士号を取得。さらに、本書の底本となった論文「ナチズムの時代における日本帝国のユダヤ政策」により哲学博士号取得。ドイツ語のほか、英語・フランス語・日本語にも堪能
黒川剛[クロカワツヨシ]
1932年生まれ。東京大学教養学科、ハンブルグ大学史学科を経て外務省入省。駐クウェート大使、駐オーストリア大使、中央大学総合政策学部教授などを歴任。現在、(財)日独協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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