感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ted
8
元所員の手記。謀略に特化した研究所ゆえ今でも謎が多い。731部隊が専門店とすれば登研はデパート。技師らしい控えめな筆致と言いたいが、毒物の検証のため人体実験に立ち会ったくだりや731部隊との接点など、意識的にぼかしたような記述が見受けられることから、本書の内容がほんの序の口にすぎず、封印された事実が本当はまだまだ山ほどあるはずだと想像される。戦後にGHQの取調べや“技術指導”と称して米国に招聘されていることから、恐らくは731部隊と同様、戦犯免責と黙秘を条件に研究成果の大半がアメリカに流れたと推測される。2011/07/05
maru
0
川崎にある登戸研究所資料館に行くための予習として読みました。戦争といったら特攻などの印象が強かったが、登戸研究所の存在を知ったことで、今までと違った戦争の一面を知ることになった。当時は1000人近くの研究員がいたものの誰もこの研究所の存在を外部に漏らさない。作者の判さんのおかげで、今まで隠されてきた日本軍の一面を知れたことに感謝したい。2024/09/06