内容説明
聞き取り調査と史料を駆使して日系人社会のネットワーク形成を明らかにした論考!戦前のリマでさまざまな商売を営んでいた日本人移民たちのネットワークを、佐藤正由(輸入雑貨店)、佐藤八郎(金物店)、高橋内橘(硝子店)、安部井虎八、室井伊右衛門(ともにシャツ製造販売業)、室井勝(洗濯店)、白坂寅作(写真館)などの「福島県人」を中心に再構成する。
目次
序章 ペルー移民史における「契約移民」と福島県出身移民―移民略史と問題設定
第1章 呼び寄せネットワークと県人意識の形成―「ファミーリア・サトウ」の事例を通して
第2章 ペルー移民の人脈形成と職種―高橋内橘の周辺から
第3章 日系社会初期における共同経営の意味―リマにおける日系カミセリーア(シャツ製造販売業)を通して
第4章 ペルーにおけるカミセリーアの広がりと呼び寄せ移民―リマにおける日系カミセリーア(シャッ製造販売業)を通して
第5章 ペルーにおける日系洗染業の系譜―人的ネットワークを中心に
第6章 日系社会における「写真師」の系譜―白坂写真館の事例から
第7章 ペルー初期移住者の「転耕・転住・転航」―海外移民の空間的移動と史料
補論 ペルー契約移民数をめぐる若干の問題
著者等紹介
赤木妙子[アカギタエコ]
1967年生れ。1990年、慶応義塾大学文学部史学科国史学専攻卒業。1993年、慶応義塾大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。1996年、同大学院大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得退学。同年より日本学術振興会・特別研究員。1999年、慶応義塾大学より博士(史学)号取得。現在、目白大学人文学部地域文化学科専任講師
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