内容説明
ベトナム独立運動に生涯を捧げた英雄潘佩珠が書き残した自伝と、それを解説した幻の原稿「潘佩珠自伝解説」(内海三八郎著)を翻刻。
目次
潘佩珠伝記(国を出るまで;扶桑の国へ;東遊運動;日本退去;中華革命展開の中で;抗仏運動最後の十年)
「自判」本文
感想・レビュー
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印度 洋一郎
5
フランスの植民地時代に、ベトナム独立運動の指導的立場にあったファン・ボイ・チャウが1920年代に書いた自伝を、ベトナムに深いゆかりのある著者(戦前は在インドシナ商社マン、戦後は南ベトナム政府の経済ブレーン)が翻訳し再構成した伝記。仏領インドシナ当局に軟禁されている時に書かれた文だが、その内容は珍しい「失敗した反政府運動」の記録だ。ファンは本人も述べているが、直情決行型で思慮が浅く、しばしば拙速な行動をして活動を失敗させている。様々な失敗をかなり率直に書いていて、こういう運動の指導者には向いていないようだ 2021/12/08