内容説明
欧米には、長い歴史と伝統の中で、社会制度として発展してきたスポーツイベントが数多く存在する。それらはグローバルなメガイベントに発展したものから、民族の祭り、あるいは村のささやかなスポーツ祭にいたるまでの多様性を持っており、それぞれが地域社会との密接な関わりの中で育ってきたものである。スポーツイベントと地域形成の課題を考えるに当たって、私達がこうした事例から「学ぶ」ことは決して少なくないように思う。本書は、そうした欧米のスポーツイベントを事例にして、それがどのような社会制度となり、どのようなコミュニティ形成の意味・機能を担っているか、そしてどのような問題と課題に直面しているのかを検討したものである。
目次
第1章 スポーツイベントと地域形成
第2章 センターコートの神話―ウィンブルドン・チャンピオンシプッスとロンドン・マートン地区
第3章 ザ・マスターズの権威―マスターズ・ゴルフトーナメントと米国オーガスタ市
第4章 カルチョストリコの暴力的魅力―伝統フットボールと芸術都市フィレンツェの葛藤
第5章 身体パフォーマンスのエスニシティ―バスク民族競技とスペイン・オンダリビア市
第6章 民族スポーツのアイデンティティ―ハイランドゲームズと英国スカイ島
第7章 バイヤー04の統合化作用―ブンデスリーガ・サッカーとドイツ・レーバークーゼン市
著者等紹介
鈴木守[スズキマモル]
1952年生まれ、筑波大学大学院体育研究科修了、現職は上智大学文学部教授、専門分野はスポーツ社会学、スポーツ指導論である。大学体育の充実に取り組む傍ら雑誌「みんなのスポーツ」の編集に携わり、スポーツの普及振興に意欲を燃やしている。主な著書・論文には、「オリンピック大会の現状と問題」佐伯聡夫編、『現代スポーツの社会学』不昧堂、1984年、「スポーツのリーダーシップ論」粂野豊・佐伯聡夫編『現代スポーツ指導者論』ぎょうせい、1988年、「スポーツ社会学の立場から」永島惇正編『スポーツ指導の基礎』北樹出版、2000年、『スポーツ文化の現在』道和書院、2000年等がある
矢島万沙未[ヤジママスミ]
1961年生まれ、東京学芸大学大学院教育学研究科及び多摩大学大学院経営情報学研究科修了、現職は明海大学経済学部講師、専門分野はスポーツ社会学・舞踊教育学である。世界の多様なスポーツ文化をテキスト化するとともに映像化し、保存・伝達するスポーツ博物学の構築をめざして現在渡英中である。主な著書・論文には、Possibilities and problems of sport business in Japan.Sport for All,Elisevier Science Publisher,1991.The relation of attitudes of sport participation,leisure time and life space on female.Sport in Space and Time,Viema University press,1995.「痩身の神話と幻想~現代のボディ・イデオロギー~」『体育の科学』46-11.1996年、「テニスシューズのスティグマとガラスの靴の神話~女らしさとスポーツ~」『体育の科学』47-6.1997年。『ドイツ・バイエル社のスポーツ支援分析』大崎企業スポーツ事業研究助成財団、1999年等がある
仲沢真[ナカサワマコト]
1962年生まれ、筑波大学大学院体育研究科修了、現職は筑波大学講師体育科学系、専門分野はレジャー・スポーツ産業論である。近年、文部省在外研究員として米国ルイビル大学に留学し、スポーツマネジメントを研修し、スポーツ産業論の新しい展開を志している。主な著書・論文には、「スポーツ産業の動向」池田勝・守能信次編『スポーツの経済学』杏林書院、1999年、Segmeting J league spactators based on length of tims as a fan.Sport Marketing Quarterly 8(4)、1999.The relationship between stadium size & location and spectator characteristics:Implications for marketing strategies.Intemational sport journal 4(2)、2000。「レジャー論の立場から」永島惇正編『スポーツ指導の基礎』北樹出版、2000年等がある
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