内容説明
本書は『スポーツの美学』という魅惑的な書名をもつけれども、スポーツの美しい写真を満載したり、スポーツをめぐる美談を収集してスポーツを美化するたぐいの書物ではない。われわれがスポーツを観て美しいと思ったりするときに、そのような体験はどのようにして生じるのか、その場合観られている対象にはどんな性質があるのか、などといったまさに美学的な問題を通してスポーツを考える書物である。
目次
第1章 スポーツ観戦者の美的体験の構造(美的無関心性の問題;美的直観;美的共感)
第2章 スポーツ実践者の美的体験の構造(実践者の美的体験の特殊性;美的知覚としての運動感覚的知覚;実践者のもつ美的気分)
第3章 スポーツにおける美的対象の構造(素材的契機;形式的契機;内容的契機;諸契機の相互関連)
第4章 スポーツにおける美的価値の原理(美的値価の一体性;美的価値の根拠)