出版社内容情報
岩手県の早池峰(はやちね)山麓。「森の奥へ続く道」という意味をもつ「タイマグラ」集落に暮らす
安部智穂さんの味わい深い料理本がついに誕生します。
森の恵みが盛りだくさんの春から秋、そして、雪に覆われる厳しい冬。
自然の中で生まれた豊かなレシピから、保存食や発酵食を中心にご紹介。
どんな暮らしであっても、季節は必ずめぐってきます。
旬の食を楽しみたい、日々の暮らしを大切にしたい──。
どなたでも、すぐに真似したくなるヒントがいっぱいです。
目次
第1章 春(ふきのとう;山椒;山菜 わらび ぜんまい うこぎ;よもぎ;八重桜;夏みかん)
第2章 夏(梅;ブルーベリー;桑の実;夏野菜 トマト ピーマン きゅうりなど;生姜;青じそ・赤じそ;バジル)
第3章 秋(クルミ;栗;いちじく;カヤの実;きのこ;みょうが;柿;山ぶどう;七味唐辛子)
第4章 冬(柚子・金柑;ビーツ;りんご;なつめ;魚介 カキ カタクチイワシ;凍みこんにゃく;シケレペ(キハダの実)
フルーツ漬け)
著者等紹介
安部智穂[アベチホ]
森の暮らし案内人。1994年に桶職人の夫と岩手県早池峰山麓のタイマグラ集落に移住。山菜や木の実を採り、野菜を育てて保存食や発酵食にするほか、草木染めやカゴづくりなど、手仕事を大切にしながら暮らす。1968年神奈川県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
49
岩手にはかなりよく行っていますが、残念ながら春先に行ったことは一度しかないためよだれを垂らしながら読みました。岩手出身の友人に「土筆とろうよ」って誘ったら「岩手では雑草」とか言うんですよ!も~。でも、確かにおいしい山菜が多すぎるのよね、東北…。春の山菜取りとキノコ狩りはクマが出るから命がけらしいです。そういえば昔森の中クマさんに出会ったことがあったなあ…岩手で。2024/01/05
よこたん
35
そこら辺に自生しているものや、地元で採れる野菜や実でなにか作る。憧れの生活の一端ではあるが、アク抜きや下拵えに手間をかけてこその仕上がりのようだ。著者は岩手のタイマグラという集落に移住し根を張った方だ。一昨日、帰り道にフキノトウを発見。ぷちんともぎ取って天ぷらにした。春の匂いが口いっぱいに広がった。この本もフキノトウから始まっている。わらび、よもぎ、梅、桑の実、紫蘇、生姜、栗、いちじく、ミョウガ、柿、柚子、金柑、りんご、なつめ。これらにまつわる懐かしい思い出は、私にもあるよ。カヤの実を食べてみたい。2024/03/10
joyjoy
12
岩手県の中央部にあるタイマグラという小さな集落。その気候風土に寄り添った暮らしから生まれたレシピの数々。「めぐる季節には意味があり、長く厳しい冬もまた、春や夏や秋と同じようにかけがえのない季節だと知った」からこそ、まず「食材を愛でる」ことができるように思う。友誌連載中はあまり熱心に読んだことがなかった。もったいないことをした。思わずバックナンバーを引っ張り出して開いてみる。室内に飾られた野の花が素敵。庭に咲いているスイセン、生けてみようかな。2024/02/26
Humbaba
3
自分が採取した野菜や果物を使って様々なものを調理する。既製品を購入するのに比べれば形などは不格好かもしれないし、時間も多くかかるのは間違いない。そのようなデメリットはあっても、自分で採取したものならばその来歴は自明であり、かつ、味付けについても自分の好みに合わせることができる。そうして自分の好きなものに囲まれて生活ができるというのは、とても豊かな暮らしであると言えるだろう。2024/02/14
Incisor
2
タイマグラに暮らす安部智穂さん。料理だけでなく、物語をもつむぐ人だと思う。豊かな物語を味わうように時間をかけてページをめくった。出会ったことのない食材も、五感に伝わってきて、おいしくいただいた気持ちになる。今の生活をよりいつくしみたくなる。2024/01/30