内容説明
「ゲームを買って」と言っていた長男が、代わりにほしいと言ったのは、なんとニワトリだった!実現に向けて奔走する息子と、母の葛藤。親子が迎えた成長の季節に、ニワトリのいる新しい風景が加わった―。
目次
序章 2017年夏(“にわとり飼育計画書”;傾きはじめた気持ち ほか)
第1章 ニワトリがやってきた(初めて出会う養鶏家;ニワトリとの暮らしスタート ほか)
第2章 ニワトリのいる日々(卵と出産;卵からお金へ ほか)
第3章 “食べ物”は“生き物”(長崎移住;猟師との出会い ほか)
第4章 家族、この侭ならぬもの(春;夫のリストラ ほか)
著者等紹介
繁延あづさ[シゲノブアズサ]
写真家。兵庫県姫路市生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。2011年に東京・中野から長崎県長崎市に引っ越し、夫、3人の子ども(現在高1の長男、中2の次男、小2の娘)と暮らす。雑誌や広告の撮影で活躍するかたわら、ライフワークである出産や狩猟に関する撮影や執筆にも取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡部敬史/おかべたかし
126
すべての迷える父母に大推薦のいい本でした。3人の子供を長崎の地で育てる筆者。長男は中学3年生と迷える年頃。親への反抗の流れで小遣いをもらえなくなりならば「ニワトリを飼って自分で稼ぎたい」と養鶏を始めることに―。この長男くんが家出はするし、口答えもするけど、養鶏してその卵を売ってとすごく逞しい。筆者ご本人は大変でしょうが、とても見どころのあるいい子だ。ま、隣の家の芝とよその子はよく見えるってのもあるでしょうが、同じく思春期の息子を持つ身としては、仲間を観るような気持ちでとても楽しく読了しました。2022/04/14
はっせー
77
一味変わったエッセイが読みたい人におすすめの本になっている!ゲームが買いたいって言っていた長男。ある時その要求に変化が起こった。それはゲームはいらないからニワトリがほしい。なぜ!?と思う人も多いだろう。自由に使えるためのお金が必要だからニワトリを飼って卵を売るのである。そしてその計画は事前に準備されていて着実と進む。戸惑う著者である母。だがニワトリを飼い始めて親子や家族間で変化が起きた。ニワトリという長男風にいうなら家畜がある意味家族の間に立って色んな橋渡しをしてくれた。面白くて一気読みできる本である!2023/04/14
けんとまん1007
65
まるで映画を観ているように、映像や声、音が浮かび、聴こえてくるようだ。その場の空気感まで伝わってくる。小さい頃、自宅に、鶏がいたことを想い出す。卵を採りに行くのが楽しみだったことを。生き物は、いろいろな姿を見せる。それは鶏に限らない。何を思い、何を行動すると、何が伝わるのか・・・そんなことを考える。2023/12/07
たまきら
43
誇り高きご長男が母親である著者と口論の末なぜか「ニワトリを飼う!」って、あはは。今のニワトリが品種改良が進み托卵をしないという話などニワトリや命の話も興味深かったんですが、何よりもこの独立心に満ちた孤高の少年が魅力的で…。うちの五年生の背中を眺めつつ楽しませていただきました。…ニワトリ…飼ってみたいなあ。2022/08/01
pinko
30
最近youtube とゲームに夢中な小学生の孫達を横目、[ゲームを購入する代わりにニワトリを購入して飼育させるお話し]に興味を持ち、読み始めましたが、ゲームの代わりにニワトリを飼って養鶏したいと言う話しでした。自立し始めた息子に翻弄され気味な母、母業の大変さを読みながら、自身の母業体験にリンクして読んでました。子が生まれ母になった時、気持ちは追い付かず、それなのにアレコレと起こる事を乗り越え、少しずつ母に成長してる心情が読み取れました。子がキチンと自立してくれればのんびりと過ごせる日が来ると思いました。2023/07/16