内容説明
“魅力”が失われていく!!“変成棒”から言葉にならない痛みが走った。目を開くと、両手の皮膚が地獄の業火に焼かれたみたいに乾き、ひびわれるのが見えた。手首の血管が木の根のように浮きあがり、爪は白墨のようにもろくなった。“これはうそよ、わたしがこんなに醜いはずがない”“変成棒”は“筋力”や“持久力”といった能力を人から人へ賦与することができる。五人から筋力を賦与された者は、巨岩をも持ち上げ、十人の“持久力”をもつものはどんな傷にも耐えられた。さらに国を守るという誓約を認められ、そのために必要な賦与を受けたものは、ルーン卿と呼ばれた―。南方の諸国を次々と制圧し、民衆から数万の賦与を吸い上げた、希代の超人・大王アーテンが、ついに北方の国々にその牙を向けた!数十の賦与を受けた“無敵戦士”や、炎をあやつる炎紡ぎ、氷原巨人などの異種族を率いた大王軍に、北の国々は対抗することができるのか!?驚愕のスケールで描く英雄ファンタジー戦記、ついに開幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
5
特別な道具と術によって能力を他人に賦与できる世界。南から来る異形に対抗しようと諸国を滅ぼして能力強化を重ねる大王と、愛する姫と国を守ろうと奔走するなか大地神と誓約を結んだ王子。悲劇が続くので胸は痛むが、世界観とストーリーに魅了されてページをめくる手が止まらなかった。王子の護衛ボレンソンが好き。2019/03/12
コウヤ
1
すごく奇抜なアイデア。めっちゃくちゃおもしろかったです。あまり知られていないのが残念。
フタ
1
「賦与」がとにかくすばらしくて酷くて怖い。2009/07/14
tom
0
以前から気になっていたファンタジー。他に面白げな本が見当たらないので借りてきた。顔面の美しさも含めて、知力やら体力やら聴力等々人の特性を他人に譲り渡すことができるという世界の物語。なんとも不思議な設定を作り上げて、物語世界を構成しているのだから、ファンタジー好きにはたまらない。でも、面白くなるのかどうかは、今後を読まなければ分からない。今のところは、ちょっと?という感じかしら。2014/01/24
ならりくらり
0
背景世界が非常に興味深いファンタジー。他人からその能力の「賦与」を受けることが出来る世界。漠然と「2人分の体力があればなぁ」なんてボヤいてみたことがこういう過酷な世界として描かれると、なぜか逆に妙なリアリティを感じてしまう。個人的にはビネスマンがかっこいい。2009/06/30