内容説明
飯田蛇笏は芭蕉を先達と仰ぎ、豊かで丈高い発句の精神を現代に生かして、荘重たる古格清新の句風を確立、高度な文学性と朗誦性とを生涯持続した。青春の抒情から老年の孤愁まで、自然と人生をくまなく諷詠したその代表作246句を鑑賞する渾身の書きおろし。蛇笏没後40年記念出版。
著者等紹介
丸山哲郎[マルヤマテツロウ]
大正11年(1922)10月31日、兵庫県氷上郡柏原町生れ。昭和19年、大阪外国語学校(現、大阪外大)卒。21年、野村泊月「桐の葉」に所属するも泊月失明のため、26年宮武寒々の紹介により飯田蛇笏に師事。34年「雲母」同人。蛇笏没後、37年より飯田龍太に師事。平成4年「雲母」終刊、以後「白露」同人
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感想・レビュー
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chiuchiu
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「雪山をはひまはりゐるこだまかな」で蛇笏に惚れた。モノトーンの雪山の谷を、こだまがあちこちにぶつかって、まるで這い回っている姿が目に浮かぶ。甲府の旧家出身の彼は、東京で学業を修めるが、家を継ぐという縛りから帰郷。本人は旧家の長であるから、山や農の仕事に直接携わることはなかっただろうが、精力的な彼の俳句からは、己の意思と反して山に引きこもる悔しさ、戦争を経て息子を三人失う逆縁の悲しみ、なによりも自然への畏敬が人という存在を通して詠われる。力強くて繊細な秀句集。鑑賞文は著者の敬愛から若干ひいき目な気もする。2013/05/25
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