内容説明
風狂の超越者芭蕉、美の幻想者蕪村、俳諧の覚醒者寺田寅彦らを軸に、俳文芸の本質と俳人の生き方など古典と現代との往きて帰る心の味わいを綴った評論随想二十七編。該博な蘊蓄と深い思索から発する著者の言葉には、俳句への純粋な愛情がにじみ、警世の趣すら漂う。俳句愛好者必読の書。
目次
芭蕉―風狂と道念
『おくのほそ道』と羽黒―「月山発句合」から『聞書七日草』まで
寿貞尼考
蕪村における時間と空間
最後の一句
現代俳句と蕪村
寺田寅彦の俳論
俳句の本質―歳事記英訳始末
連句の鑑賞法(講演要旨)
俳句的風景〔ほか〕
著者等紹介
尾形仂[オガタツトム]
1920年(大正9年)、東京に生まれる。東京文理科大学国語国文学科卒。東京教育大学教授、成城大学教授を歴任。専攻は近世文学。1974年、『蕪村自筆句帳』(筑摩書房)により読売文学賞受賞
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