富士見ミステリー文庫
幽霊列車とこんぺい糖―メモリー・オブ・リガヤ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 250p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784829164006
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「うそっ!最悪だ…」中学二年生の有賀海幸は、7月の焼けつくような日射しの中、思いっきり絶望感を味わっていた。地元のローカル線に飛び込み自殺をするはずが、廃線になっていたから…。自分に保険金までかけるという海幸の完璧な計画は、変更を余儀なくされてしまう。そんな彼女の前に、突然リガヤと名乗る女子高生が現れた。タガログ語で“幸せ”を意味する名を持つリガヤは、海幸を廃線の線路の先へと誘う。そこにはポツンと一台の廃棄車両があった―。「ボクがこいつを『幽霊鉄道』として、甦らせてみせる!」そう宣言するリガヤとともに、こうして海幸の不思議で先の見えない夏が始まった…。瑞々しく切なく揺れる少女たちのひと夏を描く、青春ファンタスティック・ストーリー登場。

著者等紹介

木ノ歌詠[コノウタエイ]
滋賀県出身、在住。第4回富士見ヤングミステリー大賞で佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪紫

41
読んでて夏の情景は感じるのに、漂うのはそれとは正反対の漂う死へのベクトルと諦感、閉塞感(石窯のシーン何処か怖い)。明るく見えたリガヤが闇を見せた時、危ういバランスが崩れる・・・だが、その先には綺麗で美しく、尊い光景。ずっと気になってた百合小説だったのでこうして読めて感無量(語彙力が足りない)。2021/03/05

9
死にたい中学生の海幸とリガヤと名乗る女子高生のガールミーツガール。きらきらした百合かと思いきや、いい感じに病んでいた。リガヤがとても素敵です。2014/12/04

ほたる

8
純然たる百合がここにある。リガヤとの出会い、青春の悩み、これほどまでにジュブナイルの要素そして良さが詰まった物語があっただろうか。短くコンパクトにまとまっているからこそこの百合の関係を素敵に魅力的に十二分に描けていると思う。余計な要素が全くないからこそ、ダイレクトに伝わってくるのが非常に良い。なんで彼女がそんなことをするのかというホワイの部分についても良い。その真相がまたこの二人の関係の魅力を深く掘り下げることに活かされている展開には脱帽した。文章もとても気持ちよくひたすらに心地よかった。2023/02/25

いりあ

8
木ノ歌詠(木ノ歌詠)が2007年に発表した長編小説。数多くある百合小説の中でも屈指の良作です。自殺を決意した中学2年生の有賀海幸とリガヤと名乗る女子高生が出会ったことから始まる夏の物語です。表紙のイラストは可愛らしいですが、死や退廃など鬱屈した感情に溢れた重めのお話となります。物語が進むにつれて変化していく2人の感情描写が凄い。最後まで読み終わった時の尊さは他にはない。こういう作品が絶版になっているのが残念。早く復刊を。2010/12/01

アツシカ

5
富士ミスが放つ名作百合ラノベ。最初から最後まであざといぐらいに美しい。媒体はなんでもいいので是非映像化してほしい。幽霊列車のシーンとか超見たい2017/09/12

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