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内容説明
マンションの薄暗い廊下。自室に戻ろうとした景は、ドアの前の訪問者に驚く。梓だった。彼女の真っ直ぐな眼差しが、景の両目を見つめる。梓の持つ生命の力は輝きを増していた。カプセルの禁断症状に苦しむ景は、燻り堕ちていくだけの自己を嘲り、心の中で呟いた。―さっさと帰ってくれ。景は梓に隔たりを覚えた。彼女の、次の言葉を聞くまでは。セル・ネットをうち破った景たちを待ち受けていたのは、ごくごく普通のゆるやかな高校生活だった。しかし、その裏側で蠢く闇も確かに存在していた。ネオ・アクション・サスペンス、いよいよ最終章突入。
著者等紹介
あざの耕平[アザノコウヘイ]
第九回ファンタジア長編小説大賞出身。’99年1月「ブートレガーズ 神仙酒コンチェルト」で富士見ファンタジア文庫にてデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じお
8
★★★★★ 一応再読。激しい戦いの末に彼らが手に入れたものは平穏な日常、その幸せを噛みしめるように毎日を過ごす梓達だったが、そんな中、景は幼少期に感じていたような他人との違和感に悩み始めていた、終わりの始まりのジャンキーバトルラノベ第6巻。面白かったです、戦いが終わったあとの主人公の在り方というのはすこしメタな面白さがあるなと雑感。景が日常に馴染めず陰に入ろうとしていたところに本妻からとうとうきたプロポーズ(微違)で、少し前向きになるところ、やっぱり彼女がいないとダメなんだなーと思ってニヨニヨ。→2025/05/28
晦夢
6
セルネットとの戦いに勝利した景たちは平凡な日常に舞い戻っていた。そんな中景は拭えない違和感を感じ続けていた。景と女王の過去が明らかになり、平穏な日常も崩れていく。いよいよクライマックス。景の内面にスポットを当てた今巻。静みたいなぽっと出のヒロイン俺は好きだよ。2014/04/17
コリエル
1
忍び寄る王国の影。少しホラーな雰囲気を漂わせる6巻だが、バトルは熱い。「いまだ。いまだけだ!」や「僕の真価を見せてやる」など戦いの焦燥感と狂熱を感じさせる台詞たちが読者を焦がす。2015/05/31
カゲカゲ見習い@ケイケ
0
怒濤の戦いの果てに待ってたものは、どうしようもない普通の日常で、その中でもがき続けるジャンキー達が読んでて辛かったです。ただ、こういった一般的な日常描写を書くライトノベルってとても珍しいと思います。とても新鮮な感覚で読めました。 遂にこのシリーズも残すところ後僅か。一気に読んでしまいたいところ2014/04/28
真林
0
取り戻されたかに思えた日常。つかの間の平和は空虚なもので。どうしようもなくドラッグ、戦いを求める景。それに応えるかのように女王が再び景の前に現れる。想いを確かめ合い、けれどそれを忘れ別たれる二人。今度こそカプセルの騒乱を治め、ドラッグから解放された本当の平和をつかめるのだろうか。2014/04/17