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内容説明
「か、カナクさんはリーゼに騙されているだけです。だったら、何とかカナクさんを救う方法が、あ、あるんじゃないでしょうか」あたしの震える声に、オリヴィア女王さまは厳しい目を向けた。「カナクは既に魔王としてこのアレンシアに君臨している。黒に染まってしまったものを白に戻すことが出来るとは思えないわ」うう、女王さまの確信に満ちた指摘に、涙が零れそうになる。でも、あたしは黒でも白になれるって信じたい…!ユーリエを救うため、“黒夢の魔王”となったカナク。そのカナクを元の姿に戻すため、ダークエルフの聖神官・ネウは単身村を出るが!?純真な恋が世界を動かすファンタジック・ラブストーリー。
著者等紹介
上総朋大[カズサトモヒロ]
第22回ファンタジア大賞にて金賞を受賞し、『カナクのキセキ』シリーズでデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
36
走り出した物語。誰も彼もが純粋な愛情を貫こうとしている。その純愛が敗れたときに、それを孤高の使命と捉えて邁進していく人と、身勝手な憎悪に変えて暴走していく人と、何が違うんだろうと考える。きっと、それはその人の性状だけでなく、周りで誰かが助けてくれた。ほんの少しその人に向けられる愛情の違いでしかないのだろうと思う。誰ひとりとして本当に悪い人がいないのがこの物語の特徴だなあ。恥ずかしげな台詞を誰もが恥ずかしげもなく堂々と口にしていて、読んでいるこちらは赤面ものだけれど、そんな青青しささえ、今は心地よい。2012/02/05
紅羽
6
お話が広がり、また面白くなってきました。ネウが可愛かったです。リーゼの過去は切なく、彼女の今まで抱えてきたものを考えると、彼女の見方がこれまでとは変わりました。キャラクターの心理描写も繊細で、毎回強く引き込まれます。この先には幸せな結末が待っているとしても、まだ試練は続くようですね。2012/07/11
コン
6
説明不足で、ネウたちに都合のよい展開が多すぎる気もするけど、まぁーそれは本作のお約束なので流します。とりあえず読み終わって思ったことは、早く続きが読みたいってこと。序破急で序ということは、次からは描き方も展開も変えてくる可能性があるっていうことで、とにかくハッピーエンドは約束されているみたいだし、著者がどんな風に描いてくるのか楽しみ。2012/03/01
ころん
6
ネウの物語とリーゼの物語。リーゼの人生は、壮絶という言葉そのもの。どうしてここまで狂気に落ちてしまったんだろう。最期には救いがあることを期待してます。ネウの話では、レニウスとリリルの純愛ににやにや。このふたりには、ごく普通な幸せを手にして欲しいです。ネウの話といいつつも、レニウスもアルマもヤヒロも個性が強すぎて、ネウが若干くわれてたような気もしますが、まだまだ語られていない物語がありそうで、これからも楽しみです。個人的には、アルマ×ネウを推したい…w2011/10/24
KEI
5
購入。表はネウとその仲間がカナクを助ける物語。裏はこの物語の根源たる物語。んー、面白いんだけどなぁ。もうちょっとなんだよなぁ。児童書に近いファンタジーでご都合主義全開の物語でも全然構わないんだけど、中途半端にRPGみたいにするのは止めてほしいんだよな。あとは、もう少し肉付けをして欲しいところ。プロットのみを読んでる気がしてしまう。個人的にはこの作品には期待してるから尚更頑張って欲しい。純愛で王道の夢物語みたいなものを待っています。2011/11/01